間が空いてしまいましたが・・・。
キャメル・サファリの続きです。
暑い中、私達はひたすら歩いてました。(←ラクダがだけど)
あまりにも暑いので、結構バテバテ。
そしてお尻も痛い。なんとかお尻をずらしたり、あぐらかいてみたり、モゾモゾしながらも数時間乗り切りました。
そして・・・。
砂丘が見えた!!!
もう夕暮れ近くなっていたけれど、ようやく砂丘に到着できました。
私達は「おーっ、念願の砂漠!!!」という感動と同時に「あれ?ちょっと待て、なんか思いのほか小さくない・・・?」という不安もよぎる。
西遊記のような壮大な砂漠を少し期待していたので、うーむ。
到着した砂漠は、荒地の中の一角が砂丘って感じ。
「兄貴」は「ここはプライベート砂漠!!!オーナーが政府にお金を払ってるからね!!!」とテンションを上げてくれている。さらに「これが僕のレストラン!!!」とニコニコしながら、前回にキャンプで火をおこした後の燃えカスを指していた。私は「へー、プライベートなんだね・・・」と少し微妙なキモチ。
でもでも、私達の前にある砂丘の山の向こうは、実は奥に砂漠が広がってるとかないかな?と期待もしてみる。私達は早速砂丘を登ってみた。
見渡す限りの砂丘があったら、いいなぁ・・・なんて。
砂に足を取られながらも、ハァハァ言いながらも登る。
・・・が、先に頂上に着いたけんぽこが「残念!!砂丘はここまででーす!!!」と衝撃の告知。
ガーン。
頂上からは、見渡す限りの「完全な荒野」が広がってました。
仕方が無い。とりあえず私達は、「あー、なんか、この角度砂漠っぽいよぉ!!」なんて喜びながら広大な砂漠にいるっぽいアングルで写真を撮りまくる。
ちょっと切ないが、なんてポジティブな私達。
さらにサンセットを見るつもりが、皆であまりに写真に夢中になりすぎて、日の落ちる瞬間見れず・・・。でもとにかく楽しかったので良いのです。
●就寝は砂漠の上で。
砂漠の上にシーツを敷き、皆で寝ました。
野宿は人生で初体験。
そして満天の星空!!!星を見ながら寝れるなんて素敵でした。
寝ている間に顔に砂が掛からないように、砂漠にわんさかいる「フンころがし」が布団に入って来ないように完全防備しました。皆のその姿がおかしくて、本当に楽しい夜でした。
●2日目 早朝8:00からラクダで帰宅
朝ご飯食べて、ラクダの準備をして、またまたラクダです。
「兄貴」と「マル」は歩いていたけれど、またもや!!!「マル」はラクダに乗り出した。
本当、食器をちょっと洗ったりするくらいでヤツは何もしていない。
しかもラクダに乗りながらご機嫌に歌を歌っている。
兄貴は1日目も丸一日歩き、私達を気づかい盛り上げて、へたなレストランよりも美味しいご飯を作り、ラクダを取りまとめ、今日の朝だって誰よりも早く起きて、私達の為のチャイを作っていて、なんて働き者なの!!
にも関わらず、「マル」は・・・・ヤツは、ただの怠け者か?
いや、でも兄貴も「マル」を指示して使っているし、文句は言ってないようだから「マル」はきっと見習いで、兄貴の仕事っぷりを見ているのかも?
●2日目 ランチタイム
荒野の中に大きな木がなく、小さい木陰でランチをする事に。
着いたとたん、「マル」はどこかにトイレをしに行った。ヤツはよくトイレに行く。
その間、「兄貴」は食事の支度。
私達はポテトチップを開けて、皆でボリボリ食べていた。
「兄貴」は仕事頑張ってるし、ポテトチップをあげたら「ありがとうー!!!」って、すごい嬉しそうに美味しそうに食べていた。そんな様子を見たら「もっと食べてー」なんて思うよね。
とそのとき「マル」がトイレから戻ってきた。
・・・仕方が無い。私達のとっておきのオヤツ、貴重なポテトチップだけれどヤツにもあげるか。
あんまり大きいのはなく、細かいのばかりしか残ってなかったけど、あげた。
すると「ビスケットは残ってないの?」と「マル」は言い放った!!!
なんてずうずうしい・・・。これが彼の実態だったのだ!!!
とは言え、そもそもインド人はずうずうしい。
案外「兄貴」が珍しくて、「マル」が普通なのかもしれない。
ちょっと話が変わるけれど、私達旅行者の間でインドの話になると、決まってインド人の話になる。そこで共通して言えるのが、普段インド人はぼったり、騙したり、ずうずうしかったりするだけに、急に適正価格を言われたり、紳士的だったり、まともな人が出てくると、こちらが意表を突かれビックリしてしまう。そして、その人がすごく「良い人」かのように思えてしまうという事。
今回、この「兄貴」はその1人だった。
おそらく私達にとって「兄貴」は輝いて見えていた。ダメダメな「マル」のお陰で。
振り返れば、何かある毎に「兄貴やるな」と評価していたし、夕日に照らされてチャイを飲んでいた「兄貴」のシルエットを皆でカッコ良いと言っていた。私なんて、「兄貴、ちょっと真田ヒロユキに似てない?」とまで言っていたし。(皆は反論していたけど)
今、振り返ってみると、私達は「兄貴」を過大評価していたのでは?
もちろん「兄貴」なりに頑張っていたし、実際によく働いていた。
だけど、それはインド人にしては珍しかっただけで、「マル」と比較されていたから、そう思えたのだと今は思う。
日本では普通の人でも、インドでは紳士的だったり良い人と思えてしまう。
日本では普通のサービスでも、インドではそのサービスに感動してしまう。
そんなミラクルマジックが、インドにはあります。
キャメル・サファリの話に戻ると、ランチの準備の時に、私達もチャパティを作らせてもらいました。初めてのチャパティ作り。案外、薄べったくするのが難しかった。
でも自分達で作ったチャパティは美味しかったなぁ。
そして、ご飯準備中にラクダが周りにいなくなった。探したら果てしなく遠くまで歩いて行ってしまっていた。肉眼でもかろうじて見えるくらいの、米粒くらいのちっちゃなラクダが遠くの地平線に見える。歩いてもたどり着くのに20分以上掛かりそうだ。
誰があのラクダを連れ戻すのだろう・・・。
しかもあの距離で四方に散らばっている。こりゃ大変。
当然、ご飯を作らない「マル」がラクダを集めに出かけていった。
果てしなく広がる日陰の無い荒野の中を「マル」は走って、棒を振り回しラクダを追い掛けていた。なんかそんな光景が面白かった。
そして、ヤツはラクダ5頭のうち、4頭だけ集めて戻ってきた。
残りの1頭は一番遠くにいるラクダ。「マル」らしい・・・。仕事も中途半端だ。
疲れたふうに帰ってきて、出来上がったご飯を食べてヤツは完全に寝に入った。
ほぼ地平線あたりに見える一番遠くのラクダを見つけて、「兄貴」は「オーマイゴーッド!!!」と言いながらも、しぶしぶラクダを取りに行った。「マル」は寝かせたままにして。
「兄貴」がなぜそこまで「マル」に対して許しているか謎だったが、私達も気にせず寝た。さすがに時間もかかり1時間以上経ってから、また私達は出発した。
お尻ヒリヒリ、首も日焼けて、そして暑さにバテバテで口数が少なくなっていた私達。
そんな中も「兄貴」は両手の親指を立てて、「グーッ?」と気遣っていた。
日も落ちてきて終盤となり、宿まで30分くらいをジープのお迎えで戻ります。
すごく楽しかったキャメル・サファリ。楽しくて素敵な思い出になりました。
何だかんだ言いつつも、楽しいキャメル・サファリとなったのは「兄貴」と「マル」のお陰。凸凹コンビも笑いとなり面白かったし、2日間も一緒にいたしで、彼らとの別れもちょっとだけ寂しいものに。皆で手を振り、夕焼けの中、彼らの見送りでバイバイしました。最後にチップも要求してくるかなと思っていたけれど、彼らは何も言わなかった。
ただし、「兄貴」が別れ際に一言。
「もしツアーが良かったなら、宿のオーナーに俺を推薦してくれ」
・・・・なるほど、そう来たかぁ。
今までずっと「マル」を放置してた理由はそれだったのね。
さすが「兄貴」やるなぁ。
皆で砂漠で野宿。マスクで完全防備!!!
2日目の早朝。既にオシリの皮剥けて痛いがラクダに乗るしかないのね。
ようやく見つけた木陰でランチ。日陰は皆が入ってギリギリのサイズ。